
天津中医薬大学日本校:事務局です

さわやかな春も終わり、いよいよ梅雨に突入しました


暑い夏が近づいてくると、人間とは反対に虫達の活動が盛んになります。
さて!!
今回は当学の先生からの「身近なところに生息する昆虫」に関するお話です


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テーブルの食器に盛りつけられた料理に、
虫が入ってしまっているのを目にする機会が、この時期から増えてきます

手足を動かして生きている状態ならば、
盛り付けられた料理に飛び込んだ直後とわかるのですが、
その虫が死んでいる場合、その虫が過熱調理前に混入したのか、
調理後に混入したのかが問題になります。
なんと、それを簡単に調べる方法があるのです!!
それは、酵素の性質を利用した「カタラーゼ活性試験」です

これは、酸素呼吸をおこなう生物の細胞に含まれている酵素「カタラーゼ」
によって過酸化水素が分解され、酸素を生成する性質を利用したものです。
酵素は調理の時のように、高温で長い時間加熱されると、
酵素としての働きが失われます。
酵素のこの性質を利用することで、
料理の中から見つかった昆虫が調理のどの段階で、
食べ物の中に入ったのかが明らかになります

その方法とは…
適当な容器に取り出した昆虫を入れ、
過酸化水素水を加えたときの状態を観察するだけです


結果、
過酸化水素が分解しない(虫の部分から酸素の泡が出ない)
→加熱調理前(虫も十分に加熱されている)ということになります。
酸素の泡が盛んに発生する
→調理後ということになります

どの段階にしても、これが自宅以外のお店の出来事ならば、
その店の衛生管理も問題になります。
ちなみに過酸化水素水は、消毒薬でおなじみの「オキシドール」の成分です。
過酸化水素の濃度は約3%あれば可能です。
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湿気が多くジメジメとした日が続きますが
体調管理に十分気をつけて、
虫たちのように元気いっぱいで暑さを乗り越えましょう

